【マインドフルネスの科学的エビデンス】MBSRによる免疫機能の変化

マインドフルネスは研究が最も盛んに行われている数少ない瞑想の一つで、世界的には医療の分野でも活用されています。

とくにMBSR(マインドフルネスストレス低減法)は、1979年にマサチューセッツ大学メディカルセンターのストレス低減クリニックでジョン・カバット・ジン博士とその同僚によって開発された、現代のマインドフルネスの代表格です。

通常8週間のプログラムとして実施され、MBSRが体や心の健康にどのような影響を与えるかの研究が盛んに行われています。

そのうち、この記事ではMBSRを実施することで免疫機能にどのような変化が見られたのかを研究した論文の一部を紹介します。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)とインフルエンザワクチン

2003年にアメリカ心身医学会(American Psychosomatic Society)の学会誌に掲載された論文です。

マインドフルネスと免疫の研究

職場の健康な従業員41名を無作為に、MBSR8週間プログラムを行うグループとそうでないグループに分けて行われた研究です。

8週間のMBSRが終わった時に、両グループのメンバーがインフルエンザワクチンを接種しました。

そのあとそれぞれの抗体価を比較したところ、MBSR8週間プログラムを受けたグループの抗体価が、MBSRを受けていないグループに対して、有意に増加していることが認められました。

これは、MBSRが免疫機能に対してポジティブな変化をもたらしたことが示唆された一例です。

詳細は以下の論文をご覧下さい。

【参考文献】

Alterations in Brain and Immune Function Produced by Mindfulness Meditation

Davidson, Richard J. PhD; Kabat-Zinn, Jon PhD; Schumacher, Jessica MS; Rosenkranz, Melissa BA; Muller, Daniel MD, PhD; Santorelli, Saki F. EdD; Urbanowski, Ferris MA; Harrington, Anne PhD; Bonus, Katherine MA; Sheridan, John F. PhD Alterations in Brain and Immune Function Produced by Mindfulness Meditation, Psychosomatic Medicine: July 2003 – Volume 65 – Issue 4 – p 564-570
doi: 10.1097/01.PSY.0000077505.67574.E3