薬や従来の健康教育だけでは届かない「何か」がある──
医師として臨床に携わるなかで、ずっと消えずにあった感覚です。
検査値が良くなっても、健康的な生活習慣の教育・指導をしても、どこか満たされない表情のまま帰っていく方。
限られた診療時間のなかで、モヤモヤした何かが少しずつ溜まっていく感じ。
「治す」という目的の先にある、根本からの癒しに手が届いていないもどかしさ。
何かとっても大切なものが抜け落ちている気がする…
オランダで過ごした3年間
仕事と子育てに追われる日々、この違和感をどうしたら無くせるのだろうか?
そんなある時、家族でオランダに滞在するチャンスを得ました。
西洋医学を日本に伝えた国であり、世界的に幸福度の高い社会として評価されているオランダ。
日常で目にする光景の一つひとつが、その疑問を解消するための観察の対象でした。
朝のカフェで、和やかにチェスを楽しむご高齢仲良しグループ。
運転手に笑顔を向け、横断歩道を渡っていく青年たち。
長く暗い冬には積極的に家にこもって編み物や家族との時間を楽しみ、運河が凍れば、自然のスケートリンクで滑り出す──。
自然と共に在り、「時間の質」を取り戻すような日々に触れ、価値観や働き方、生き方を見つめ直す機会となりました。



マインドフルネスとの出会い
そのうちオランダで出会ったのが、マインドフルネスです。
「やるべきこと」に追われ急いで生きるのではなく、「今、ここ」に意識を向けて、自分の感覚とともに在る。
たったそれだけで、これまでと同じ世界が、いつの間にか、まるで違って見えるようになりました。
その後、ヨーロッパIMAおよび日本IMCJにてエビデンスに基づくマインドフルネス、MBSR(マインドフルネス・ストレス低減法)の正式な講師トレーニングを修了し、現在は医療・介護・職場のウェルビーイングの分野で、実践的な知識としくみの提供に取り組んでいます。
働く人に、整える習慣を
このサイトでは、マインドフルネスの実践を「書く」「歩く」「休む」という3つの親しみやすい習慣として提案しています。
・思考や感情を見つめ直す「書いて整える」
・日常の動作に意識を向ける「歩いて整える」
・疲れをやさしく癒やす「休んで整える」
知識を学ぶだけではなく、生活の中で少しずつ実践できるよう、テンプレートやガイドもご用意しています。
自分を律するのではなく、素直な自分に寄り添いながら整えていく。
そんなプロセスを通じて、ひとりでも多くの人が「ほんとうの健康」を取り戻すきっかけとなれば幸いです。
経歴・資格
- 医師(M.D.)/病院管理学 博士(Ph.D.)
- 認定MBSR講師(Institute for Mindfulness-Based Approaches|IMCJ)
- 米国ヨガアライアンス RYT200
- Udemy Business 講師